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山科気になる心霊ゾーン

山科気になる心霊ゾーン

暑い夜。窓を開けて寝ようとするも、
入ってくるのは生温かい湿気まじりの風。
幽霊が真横で寝そべっているのではないかとふと思えたり。
夏の夜を涼しく過ごすには、
ちょっとした怪談話でも役に立つ。
今回は、あまり表に出ない山科の心霊ゾーンをご紹介。

東山霊域の古株、旭稲荷神社

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山科近辺の心霊ゾーンと聞いてまず誰もが思い浮かべるのが、五条トンネルと並走して東山を貫く歩道のトンネル花山トンネルだろう。車で走り抜けても相当な長さのトンネルを徒歩で通り抜けるのだから、その暗さと雰囲気、昔から語りつがれる幽霊遭遇の噂とで、心拍数が上がるのは当然。電気が灯っていたところで、怖さもかえって増す。 さらにこの山の上にはお焼き場、京都市中央斎場がある。加えて東本願寺の東山浄苑納骨堂がある。同じ山並みの少し北には、巨大な護摩焚きを行う謎めいた宗教祭事で知られる阿含宗の総本山があり、平安時代に都の守り神として立ち姿の武士象が埋められたという将軍塚もすぐそばだ。その北、三条方面へ至る場所には粟田口刑場跡付近に解体すらされないリゾートプールの跡地があり、そこで泳ぐことを想像しただけでもぞっとするような場所。つくづくバブル期の人々には見えていなかった、史上に渦巻くぬぐい去れない悲惨なものが、人の繁栄の根底で、いつの世も混沌と漂っているのを垣間見せてくれる。平安時代の昔から、鳥辺野、華頂と称された風葬の葬場の一帯とも重なるこの山沿いに走るのが東山ドライブウェイだ。夏ぐらいは弔いの気持ちで走るのもよかろうが、よけいなことは考えず、さわやかな山緑の風を感じる方が懸命だろう。人の生死の営みの中で、限りなく死の世界に近い風をいつもさらさらと吹かせてきた、涼しさ満点のゾーンだ。


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その一番北側に位置する中央斎場の東、五条トンネルを抜けた山科側にあるのが旭稲荷神社だ。五条通からは徒歩で昇る山間の階段しかなく、車では、裏の住宅街に停めて同じく山道を昇る。5分くらい上れば真っ赤に塗り直された社に辿りつくが、ここは稲荷神社。そのご神体は人々が感じた神々の魂そのものをお祀りする「お山」と呼ばれる石碑群である。社の右側に添って、苔の緑が生い茂る山道が続く。やがて竹林となり、どちらかといえば、涼しい風の吹き抜けるさわやかな場所だ。


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竹林が大きく京都側にカーブしたあたりにお山群はある。細長い石碑にそれぞれ神々の名前を刻み込んだものが竹林の斜面を切り崩して不気味に連なり立つ。その一帯の異様な感じは、知る人ぞ知る未知の力を思わせる。あまり知られていないにもかかわらず、いつの時代か、ここになにかの力を感じて多くの人々が神様を祀ったのだ。江戸元禄の時代には稲荷信仰が大変大流行りし、伏見稲荷や花山稲荷などの参拝者も増えたようだが、この場所の記録は知られてはいない。ここへ行くと一層、東山の霊気が身近に感じられるような気がしてならない。無惨な死者なものとは少し角度の違う、未来永劫の力をもった死者の魂たちが地中からわき出しているかのような、そんなふうな場所に感じられる。一度、訪れられてみてはいかがだろう。


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